みなさん ! ごきげんいかがですか。
素人には ! 逆立ちしても ! 絶対に出来ないことがあります。
それは 【 御影石 】 を
板にして ! 寸法通りに切断し ! 研磨をして !
字を彫って ! 金箔を押す ! ことです。
拳骨和尚は日本で三番目の建築大理石メーカーに就職しました。
工場で一年間全ての工程を研修し体験しました。
ですから一通りの事は出来ます。
出来ますが ! 売り物にはなりません。
つまりへたくそです。
当然です !
一年やそこらで習得できる技ではありません。
【 ファイングレイン 】 と言うのはスウェーデン産の黒御影石です。
【 スウェード・H 】 【 エボニーブラック 】 【 ファイングレイン 】
が世界で最高の品質の黒御影石です。
もちろん 【 ファイングレイン 】 が最高級品です。
金箔はかつてのお仲間の金沢の作田金箔さんで分けていただきました。
大曼荼羅は拳骨和尚です。
仲良しの石屋さんの社長が
大曼荼羅御本尊を石に彫ってよろしいですか ?
と電話してきたのです。
いいですよ。
ありがとうございます。
そして !
後日 ! 厳重に梱包された大きな荷物が
到着しました。
なんだ ! これは ?
差出人を見ると・・・
すぐ電話しました。
何これ !?
石の大曼荼羅です。
頼んだ覚えはないよ !
お礼です !
何の ?
頂戴致しました 【 大曼荼羅御本尊 】 のです !
開けて見ました。
まだ金箔が施される前の
漆黒の中にうっすらと浮かび上がる
雪のような字の大曼荼羅でした。
派手さはありません。
貴婦人のようでした。
しばらくして草庵の入り口の高い所に壇を作り御安置しました。
一年後に金箔を押す人が現れました。
この彫刻を見て !
どうしても金箔を押させて頂きたい ! と言われるのです。
何故ですか ?
この字を彫る技術が最新式だからだそうです。
今まで石の字堀りは 【 ゴムシート 】 を貼って
カーボン紙を敷き原稿を上から鉄筆でなぞるのです。
その線にそってカッターナイフで文字の部分を切り取るのです。
その後 【 サンドブラスト 】 で砂を吹きつけで掘ってゆくのです。
そんな原始的な方法だったのです。
ですから字の深さが値打ちの基準になり深いほうが良い ! とされていたのです。
ところが最新式のこの方法は
被写体を写真に撮り特殊フィルムを直接石に貼り付けて彫るのです。
コントラストでフィルムの厚さが違うのです。
サンドブラストで砂を吹き付けると薄い部分から溶けてゆくのです。
写真と同様の仕上がりになるのです。
ですから字が必要以上に深くならないのです。
この大曼荼羅は字が小さいのでフィルムを二枚重ねて作業しました。
と連絡を頂きました。
それで金箔を押して頂きました。
出来上がりました。
誰もが歓声を上げました。
後日談です。
※ 拳骨和尚も金箔を押させてくださいとお願いしました。
いいですよ ! といって頂きしましたが !
とてもとても出来る事ではありませんでした。
金箔一枚を無駄にしました。
シンナーで綺麗にふき取られました。
夏でした。
風がダメです。
エアコンも切って窓も閉めて作業しました。
これも素人が出来ることではありませんでした。
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