【 無我夢中 】
あまり良い意味の言葉ではない ・・・
最近は夢中になることが無くなった。
子供の頃は毎日毎日 夢中になって遊んだ記憶がある。
晩ご飯ですよ ~ 帰ってきなさい ~ のお母さんの声で ジ・エンド。
現実の世界に引き戻された。
一体 何に 夢中になっていたのだろうか ?
この一週間 有我と無我と夢中になった。
最初 ~ 自己満足の字を書いた ・・・ 書けたと思った。
でも心が小さいと ・・・ 却下。
二回目 ~ 心を大きくして書いた。
いいな ~ と思う字が書けた ・・・ と思った。
実際 ! 依頼主も気に入った。
でも看板に出来ないと ・・・ 没になった。
三回目 ~ 夜本堂で我を忘れ ・・・ 書きまくった。
スズメバチのブーンという羽音を聞いたとたん ・・・ やめたら ~ の声に聞こえた。
その夜一晩中 【 悠 】 の字を書いている夢を見た。
拳骨和尚ではない誰か。
その字は ・・・ 書いては次々と書いては消えていった。
そして不思議な事に ・・・ 同じところを同じように書くのです。
寸分の狂いも無く 。。。
段々と墨が濃くなってゆき ・・・ 仕舞いに墨痕鮮やかな 【 悠 】 になった。
それを最後まで見ていた。
朝 目覚めると ・・・ 字が眼に焼きついていた。
眼を閉じても消えない。
実際に書いたような感覚が残っている。
何だろう ~ でも有り難い。
社長さんが紙と墨を持ってきた。
昼までには仕上げます と。
模造紙も白上質紙も大きい ハサミで切らなくては使えない ~ ので止めた。
半紙は最後に使おうと思った。
でっ ! 最初にB-4のコピー紙で書いた。
本当におどろいた !
昨晩の夢の中の字 !
まさか ~ の一言が思わず口から出た。
墨があまった ~ 半紙に書いた。
にじまないが ~ 若干ちじんだ。
実際に書いたのは400枚以上 ・・・ 夢の中は わかんない。
昔から偉い坊さんの夢のお告げの話はよく聞く。
これをそうだとは言いたくない。
四回目の最初の一枚 !
全員の言う事を全部聞いた ・・・ 字。
これは おれが ~ 俺が ~ オレが ~ の自分を殺さなくては書けるものでは無い。
書けたとしてもみんなが満足する事は無い ・・・
心も必要以上に大きく無い。
自己満足も無い。
自慢する気もまったく無い。
無い無い尽くしで何にも無い。
ほっとした ・・・ これで娑婆世界にもどれる。
しまった ! 夢の中を録画しとけばよかった ・・・
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