【 詠み人知らず 】
とは作者不明のことである。
作者不明にした ・ なった理由は ・・・
1.作者が本当に不詳の場合
2.作者が読者である宮廷人には理解されないあるいはその価値がないと看做された低い身分である場合
3.皇族に縁のある身分や出自の人物や失脚した人物など、名を載せることが政治的に憚られる場合
4.特定の歌人が多くなりすぎた場合など、編者の編集の都合による場合
【 五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする 】
( 古今集 ・ 夏 ・ 巻三 ・ 百三十九 ・ 詠み人しらず )
実はこの歌は伊勢物語の中にある。
後に古今集に組み込まれた。
伊勢物語にはこう書かれている。
「 昔、男がいた。男の宮中での仕事が忙しく、妻への気持ちも誠実でなかった頃
男の妻が 『 誠実なあなたを愛します 』 という人に従って他の国に行った。
この男が宇佐八幡宮の使者として赴いた時に、接待の役人の妻に似ている女がいると聞いて
「 女主人にかわらけをとらせよ。でなければ酒は飲まない 」 と言ったものだから
元の妻はかわらけを取って差し出した。 男は酒の肴として出ていた橘の実を手に取って
『 五月を待って咲く 花の橘の香りを嗅ぐと 昔契りあった人の 袖の香りがする 』
と言った。
女はこれを聞きこの人は昔の夫だと思い出して ・・・ 尼になって山寺に籠もって暮らした。」
とさ ・・・
別に尼さんにならなくても ・・・ よさそうなものだが ・・・
男を断ち切るためには ・・・ 尼になるしか他に方法が ・・・
なんて勝手な事を思っている。
なんともやり切れない歌である。
拳骨和尚が高校生の時 ・・・ クラスメイトの河島英五と一緒に ・・・
気を引き合った古文の美人教師 !
その美人教師に授業で習った歌である。
この歌の詠み人は ・・・ 男。
けっこう ~ 未練たらしい ~ ような気もする。
早速 ! 書いてみようと思った。
止めた !
之は大和仮名。。。
拳骨和尚の無骨な手では無理 !
でっ ! 母の用事を一つ増やした。
5月14日で満89歳になられた。
思わず ! 拝んだ。
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