みなさん ! ごきげんいかがですか。
今日の辻説法は 【 消えた地獄 】 です。
和尚さま ! 今日の辻説法はお題からして何か楽しそうですね。
そうです !
楽しいですよ ~
あなたは ・・・ バチがあたって必ず地獄に落ちる ! と言われてごらんなさい。
ウキウキして楽しくなる人は世界中探しても一人もいません。
その地獄を消した人がおられるのです。
一体 ! 誰ですか ?
鎌倉時代13世紀の日本の僧日蓮です。
本当ですか ?
はい ! 本当です。
証拠はありますか ?
あります。
それは日蓮の直筆の大曼荼羅です。
現存する日蓮の大曼荼羅に
【 若脳乱者 頭破作七分 謗者開罪 於無間 】
【 有供養者 福過十号 讃者積福 於安明 】
等と書かれた大曼荼羅は七体あります。
1. 56 ( 不明 )( 京都 本能寺 )( 弘安元年八月 日 )
2. 57 ( 優婆塞藤太夫日長 )( 岡宮光長寺 静岡 )
( 弘安元年十一月二十一日 )
3. 59 ( 妙心 授与 之 )( 中山淨光院 千葉 )
( 弘安二年二月 日 )
4. 60 ( 釈子日目 授与之 )( 桑名壽量寺 三重 )
( 弘安二年二月 日 )
5. 61 ( 日向法師 授与之 )( 茂原藻原寺 千葉 )
( 弘安二年四月八日 )
6. 65 ( 沙門日法 授与之 )( 岡宮光長寺 静岡 )
( 弘安二年七月 日 )
7. 67 ( 沙弥日徳 授与之 )( 新曾妙顯寺 埼玉 )
( 弘安二年十月 日 )
( 立正安国会発行御本尊集。番号は御本尊集の通し番号です )
弘安元年から弘安二年にかけて集中しいています。
最後は 【 弘安二年十月 日 】 です。
曾存分 ( かつて在った ) の記録には 【 弘安三年四月 】 が有るそうです。
( マイミクのいっちーさんのコメント )
これ以後日蓮は自筆の大曼荼羅から一切この句を削除します。
そして亡くなる弘安五年十月十三日まで再び書くことはありませんでした。
一体 ! 何があったのでしょうか ?
そうです。
日蓮門下最大の不幸な出来事 【 熱原の法難 】 と呼ばれる事件です。
信仰してまだ日が浅い信徒三人の処刑です。
この三人の斬首の日が諸説あるのです。
がっ ! 大石寺の五十九世は堀日亨上人はその自書
【 富士日興上人詳伝・上 】 ( 聖教文庫ー43 ) の144ページで
三人の処刑と十七人の追放は 【 弘安三年四月八日 】 であると強く
主張しておられます。
日蓮の大曼荼羅から消えた
【 若脳乱者 頭破作七分 謗者開罪 於無間 】
【 有供養者 福過十号 讃者積福 於安明 】
この句 ! の日付が奇しくも三人が斬首されたとされる
曾存・かつて在った 【 弘安三年四月 】 と一致するのは
単なる偶然ではないと思うのです。
【 もし悩乱する者 頭が七つに裂ける 】
【 供養ある者は 福が ( 仏の ) 十号に過ぎる 】
【 謗る者の罪は 無間 ( 地獄 ) に於いて開く 】
【 讃める者は 福を安明に積む 】
の字句は
熱原郷の百姓たちの処刑後に幕府の権力者に言っても書いても詮無いこと・・・
処刑され追放された人たちにも言ってはならないこと ・・・
それに我が師日蓮も気がつき反省のもと一大決心をされたと思うのです。
今後一切大曼荼羅には
【 若脳乱者 頭破作七分 謗者開罪 於無間 】
【 有供養者 福過十号 讃者積福 於安明 】
書かない ! と。
それが今日の辻説法 【 消えた地獄 】 です。
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