みなさん ! ごきげんいかがですか。
今朝は窓を閉め布団をかぶって寝ていました。
もう寒いですね。
風など引かぬようにしましょう。
さて ! 今日の辻説法は
虎の班 ( 模様 ) の石で硯を作った人の話です。
龍の筆を作った藤野雲平さんとお別れして
福井さんのお店に向かいました。
【 高島虎班石硯 ・ こはんせき 】 とは
安曇川町の阿弥陀山に産出する虎班石を原材料とする硯です。
今はほとんど作られていませんが明治から大正時代にかけては
15万から20万面を産出していたといいます。
土井惣左衛門と福井正男の2人の伝統工芸師によって引き継がれています。
天正年間信長の比叡山焼き討ちの際織田信長に追われて
万木 ( ゆるぎ ) の森に隠れ住み帰農した万木城主能登守高城の
末孫五郎右衛門貞次が近くの阿弥陀山で伝教大師最澄が唐から伝えた
中国硯の原石 ・ 玄昌石によく似た粘板岩を発見したのが起源です。
この石は硬からず柔らかからず石面がよく揃っているので
墨の粒子が適当な大きさに揃うばかりではなく
水持ちがよいという特長があります。
とパンフレットに書かれていました。
土井さんは亡くなられたと商工会議所で聞きましたので
最後の一人の伝承者に会いに・・・
【 福井永昌堂 】 と言います。
http://kyo.kyo2.jp/
拳骨和尚は実際に硯を作っている人に会えると思っていたのです。
お店に着きました。
出迎えてくださったのは拳骨和尚と同じような年代の御夫婦でした。
御主人はおられますか ?
父は去年亡くなりました。
そうですか。
もう少し早く来れたら ・ ・ ・ お会いできたのに
残念でした。
ここに展示されている硯は遺品ですね。
はいそうです。
藤野さんから電話をいただきました。
よろしかったら先生の書を見せていただけますか ?
えっ !
ここではお見せするつもりはありませんでした。
だって~硯のお店ですからと !
勝手に決めていたのです。
実際 ! 硯がなければ書を絶対にかけません。
( 失礼申しました )
どのような硯をご希望ですか ?
大きすぎず ・ ・ 小さすぎず ・ ・
軽からず ・ ・ 重からず ・ ・
手入れがしやすく ・ ・
墨が気持ちよく磨れる ・ ・
笑われていました。
二つ出していただきました。
迷いましたよ !
甲乙付けがたし !
二つも買えません。
決めました !
お茶を頂きました。
今の御主人にこれからどうなされるのですか ? と聞きました。
後二年で定年です。
退職しましたら親父の後を継ぎます。
定年はいくつですか ?
60です。
えっ ! では58才ですか ?
はい ! 昭和27年の辰年です。
またもや拳骨和尚の同級生です。
でも定年してからで間に合いますか ?
子供の時から見よう見まねで作っていました。
安心しました。
この時決心しました。
福井永昌堂六代目当主 福井泰石さんが作られる
第一番目の硯を頂こうと !
拳骨和尚の大曼荼羅書写道場が完成したら
その旨を手紙に書こうと思っています。
現在拳骨和尚の大曼荼羅一千体書写行に二回も耐えた
アルミのドカ弁ぐらいの大きさの端渓の硯は
つるつるになって墨が滑って思うように磨れません。
どうにかなりませんか ?
すると修理の方法を御丁寧に教えて下さいました。
切れなくなった鋸の目立てと同じように
硯にも目立てが必要です。
とても簡単な方法で素人にも失敗しない方法でした。
有り難い !
感謝しました。
そして別れを告げました。
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