拳骨和尚の辻説法

みなさん　！　ごきげんいかがですか。

いい加減　！　拳骨和尚も嫌になってきました。

告知　！　告知とうるさい事ばかり言ってきました。

今日で完結編にします。

さて告知とは　【　皆に広く告げ知らしめる　】　事です。

ですから言って当たり前　！

言わぬが花なんて事はありません。

では何を告知するのか　？

告知する本体は何なのか　？

それをお話したいと思います。

患者に病名　･　症状を告げるのは　【　告知　】　とは言いません。

診断と言います。

糖尿病です。

脳梗塞です。

肺癌です。

骨折です。

是を言ってもらわないと不安でなりません。

でっ　！　何々と診断されて治療が始まります。

患者も医者の言うことを聞き治ることを期待して治療を受けます。

そうですね　！　みなさん。

ここで貴方は死にます　！　治療法もありません。

なんて言われたら実もフタもありません。

黙って死ぬしか他に方法がありません。

こんな事を言われたら死期を早めるだけです。

ですからお医者さんは死の宣告などせず

病名と治療法を説明すれば良いのです。

治るか治らないか　！

助かるか助からないか　！

死ぬか生きるかは　！

誰も分かりません。

死病による死の宣告の　【　告知　】　は医者の仕事ではありません。

では一体誰の仕事なのですか　？

はい　！

お坊さまの仕事です。

【　諸行無常　是消滅法　消滅滅己　寂滅為楽　】

【　しょぎょうむじょう　ぜしょうめっぽう　しょうめつめっち

　じゃくめついらく　】　と読みます。

『　諸行は無常にして　是消滅の法なり　消滅を滅しおわり

　寂滅をもって楽となす　』　のことです。

意味は　！

森羅万象は是　【　消滅の法　】　です。

この消滅を繰り返し繰り返し滅します。

この消滅そのものが滅し終わった時に訪れるのが

【　寂滅　・　じゃくめつ　】　と言う何も無い世界です。

苦しみも悲しみも喜びも憎しみも無い静寂な世界です。

是を　【　涅槃　】　と言います。

仏陀の悟りです。

この　【　涅槃寂静　】　が死です。

別名　【　あの世　】　とも言われています。

誰にでも平等に訪れるもの　！

それが　【　涅槃寂静　】　です。

ここで命の洗濯を済ませたら

また　【　この世　】　に帰って来るそうです。

その時に必ずお世話になるのが　【　父母　】　です。

なんだか楽しくなって来ました。

拳骨和尚